COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2009年4月30日 23時58分

スタッフブログにも社員が書いていましたが、今回は日本熊森協会さんとご一緒に

植樹に行ったお話です。

 

 

兵庫県の山奥ですが、数年前に比較的人が観光に来るようなリンゴ園で熊が出たと

いうのです。山の実りが凶作で餌を失ったクマ達が、一ヶ月間毎晩出没しりんごを

一万個以上食べてしまったそうです。

 

 

頭にきた農園の関係者は熊を皆殺しにする!!と息巻いたそうですが、なぜ熊が

りんごを食べに危険を冒してまで里に下りてきたかに気づきます。

そこで、様々な経過の後、熊森協会さんと熊の餌になるどんぐりの山を作ろうという

活動をされているのです。

 

 

そうですよね・・・熊にしてみたらひょっとしたら殺されるかもしれないような

人里に食べ物を探しに来たくないですよね。

山に昔のようにお腹がいっぱいになるぐらい木の実がなっていたら・・・幸せなのですよ。

 

 

より豊かになる経済活動のために木の実がなる木を切って杉やヒノキを植えて

熊を困らせたのは人間なのです。

 

 

今、日本の山はほとんど杉、ヒノキになってしまいました。

その山を放置してもとの雑木の自然の山に帰すには100年近い月日がかかるそうです。

そのスピードを少し速めるために熊森協会さんは山をトラストで買い、杉、ヒノキを

切りどんぐり等の雑木を植えるという大変な仕事をされています。

 

 

その純粋な心と黙々と活動に励まれるメンバーさんの姿には頭が下がる思いです。

さまざまな活動には困難が付きまといます。

必ず妨害が入ります。それにもめげず、立ち向かい、寝る間も惜しんで活動される

森山まり子会長はすばらしい一本筋の通った、まさしく自立している女性のお手本の

ような方です。

 

 

今、日本の奥山に住む狼、熊、鹿、猪などの野生動物たちは、住処を失い、飢え、

中には絶滅の危機にいるものもいます。

山だけではなく、化学物質の汚染で広大な海に住む海洋生物の体にも

異常が発見されています。私たちが「進化」と呼ぶ文明の発達は、同じ地球上の

他の生き物の犠牲の上に成り立っているのです。

 

 

この大切なことに気づくように、熊が危険を冒して出没してくれているのかもしれません。

このままでいくと人類が絶滅してしまうようなことになるよという警鐘なのです。

 

 

ちょっと立ち止まって考えませんか? 自然の大切さを。

 

 

私たちクレコスは、"クレコスいのちの森倶楽部"という会を立ち上げています。

自主運営の組織です。今回の植樹は、その倶楽部の会員の中から28名で参加させて

いただきました。

 

   植樹報告-1.JPG     植樹報告-2.JPG

 

あなたもご一緒に活動しませんか?

メールをいただきましたら入会案内その他お送りします。

まだまだ小さい会ですが気持ちの通い合った会にしていきたいと思っています。

 

 

クレコスは一つのキーワードを『日本』としてきました。

日本には古くから自然を崇拝する慣習があります。

山に木に、神を感じ大切にしてきました。

 

 

私の住んでいる奈良には、三輪明神といって山が神様の神社があります。

日本各地にある、産土神は、大きな森を持ち、火事や地震が起きた時などに土地の

人々を守ってきました。

 

 

私たちは神道の信者ではなくても神社に行くと、鈴を鳴らし手を合わせることを母

から教わりました。

暮らしの中に自然を崇拝する心を小さいうちから自然な形で母から子へ教えられて

いる民族ではないでしょうか?

 

 

それを次の世代に伝えていく使命が私たちにあります。

それは私たちが母から教わった、さまざまな"日本のこころ"なのです。

本当に大切にしたいものですね。