COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2010年8月1日 22時07分

8月といえば関西ではお盆の月です。

お仏壇のあるご家庭でしたら身近にある行事なのでしょうが、若い人たちは一般的に

休みがあって遊びにいける日にちぐらいの認識しかないでしょうね。

 

 

特に15日は終戦記念日。戦争が終わった日といっても私でも戦後の生まれですか

ら、特に何を覚えているということはありません。

ただ私は母の36歳(当時にしては超高齢出産)のときの子でしたので、明治生まれ

の母に色々教わりました。

 

 

当時はもちろんテレビはなくラジオの時代。歌を歌うにもカラオケはなくナマオケ?

他に楽しみはないですし、よく歌を歌ってくれました。

小さいときに聴いた歌は覚えているものですね。すらすらと出てくるのです。

面白がって軍歌なども歌えますよというと、80代ぐらいの方からは珍しがられます。

 

 

先日、娘のお友達と話をしていましたときに、歴史好きの40歳ぐらいの男性と歴史談

義になりまして、ワインが入っていたこともあり、『桜井の別れ』と言う歌を歌いま

した。"青葉茂れる桜井の、里のわたりの夕まぐれ..."と言う楠正成がわが子の正行

(まさつら)を呼び寄せて、自分は戦に行くけれどもお前はここから帰りなさいと、

懇々と諭した歌です。

 

 

歌いだすと2番も3番も出てきて自分ながら感心してしまいました。

三つ子の魂100までとはよく言ったものですね。

その後、得意になって"一の谷の戦破れ打たれし平家の公達あわれ..."というだんだ

ん歴史を遡るような歌まで思い出し...はっと我に返ると、なんと年を重ねたことか...

と感慨にふけってしまいました。

 

 

昔はそんな歌を知っているとお若いのに凄いですね!!と年配の方にはお褒めをいた

だいていたことが、今は歳相応のことになってきている事に気づいたのです。

ほんとにねぇ、困ったことです。

 

 

同じ年齢の友人で30代の歌手の歌をたくさん知っている人がいます。私の叔母も80

歳をこえていますが、わりと良く若い歌手や俳優さんを知っているのです。

私なんか、テレビを見ていても誰でもおんなじに見えてしまって困ってしまいます。

孫がいないということにも一因はあるのでしょうが、それは言い訳で本当はもっと

興味の対象を上下左右広く持たないといけないと言うことでしょうね。

でも古いことを覚えておくのも大切なことです。

 

 

では今年のお盆にはお墓の前で母に『桜井の別れ』でも歌ってやりましょうか。

お若い皆さんもお盆には海や山に行くだけではなしに、お墓参りにも行ってご先祖様

にお歌の一つも歌ってあげてください。

今回は抹香くさい話になって失礼しました。