COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2013年5月20日 9時56分

 

皆さん、奈良の唐招提寺はご存知ですか?

鑑真和上が奈良時代に日本に仏教を広めるため、荒海を超え中国から何度も

失敗を繰り返しながら、やっとの思いでたどり着き、学問所を開かれたお寺です。

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 その後お寺は徐々に廃れていき、鎌倉時代に覚盛上人が中興の祖として立て直した

という事です。その覚盛上人が修行中に蚊に刺されているのを見かねて弟子の僧が蚊を

たたこうとしますが、「蚊に自分の血を吸わせるのも施しである」と言ったと伝えられ、

その後亡くなってからこれを聞いた法華寺の尼僧が、せめてうちわで蚊を追い

払ってくださいと、可愛いハート形の団扇をその墓前にお供えになったことが

始まりだと言われています。

 

 さてそのかわいいハート形の団扇ですが、5月19日に鐘楼の上から、

撒かれるという一大イベントがあります。すさまじい争奪戦になり、

けが人がでてはという事で撒かれるのは一部だけで、今は抽選券を朝早くから

配られ、抽選で当たった人がいただけるという何ともありがたいうちわなのです。

 

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 今年は、残念ながら雨のため鐘楼からまかれる団扇も儀式だけとなりました。

 

 私もいただいて来ました。

私には特別に団扇の券も入場券もお抹茶券も事前に送られてきたのです。

すごいでしょう!コネを使ったのではなく努力のたまものなのです。

 

  唐招提寺の金堂は平成の大修理で2000年から大がかりな解体修理が

行われました。もちろん文化財ですのでお国からお金は出るのですが、お寺でも

ご寄進を集めなければなりません。その手段として、10数年前から春秋に

写経が行われました。一日200人限定で、鑑真和上のおわします御影堂の

東山魁夷画伯の襖絵に囲まれての素晴らしいシチュエーションでの写経です。

 

 この写経に何回も色々なお友達を誘って参加させていただきましたので、

そのご縁でうちわまきも観月会もご招待をいただけるという次第です。

 

 6月に行われます鑑真和上1250年の法要のご招待もいただいています。

奈良に住まいをして、ちょっと周りを見回しますと素晴らしい事が沢山経験できます。

 6月末には法華寺で象鼻盃という行事があり、ハスの葉に日本酒を注ぎ、

その茎の下からお酒をいただくという何とも風雅な変わった行事です。

これはお酒好きの私としては見逃せない行事です。

 

 唐招提寺のうちわは、魔除けの祈願がなされ、象鼻盃でいただくお酒はハスの

エキスと合わされて不老長寿の言い伝えもあり、はてさて私はいくつまで

元気で働くつもりなのでしょう!!