COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2012年10月19日 16時28分

クレコスにはクオンプロジェクトという、社会事業を営利事業に結びつけるプロジェク

トがあります。その一つとして『クレコスいのちの森倶楽部』という会を作り10数

年前に立ち上げて、日本の森を考える様々な活動をしてきました。のほほんやスタッ

フブログでも何度か報告をさせていただいていると思います。数年前には山にドング

リの木を植えに行ったり、植林の山の皮むき間伐の体験もいたしました。

 


そんな活動をなんとか事業に反映しようと考え、先日社員研修で面白いことをしてき

ました。木を切り倒したのです。社員の実家の持山で、奈良県の室生にある山です。

ご多分に漏れず、おじいちゃんが一生懸命子供たちや孫たちのためにと植林された杉

やヒノキが使われることなく、間伐さえままならず、もったいない山になってしまっ

ています。ここを使わせていただき、木を取りあえず一本いただくことにしました。

直径17センチのヒノキです。重量約100キロ。女性の社員二人で切り倒し、裁断

しましたがヒノキは杉よりも固く、手で引くのこぎりでは大変だったようです。

そのヒノキを木端にし、紙を試験的に作ってもらおうという計画です。

なんでも面白いことをやってしまう会社ですが、いろんなものがなくなって困ったこ

とになると作ってしまう会社なのです。

 

以前は、化粧品原料会社がクレコスの原料として使っている米ぬか発酵エキス(お酒

のようなもの)の製造を、面倒で手間がかかるのでやめてしまった時、何とか作れな

いかと様々に当たって奈良の清酒メーカーで製造をしていただき、原料にしたという

経緯があります。酒造メーカーが化粧品を作られるケースはあっても、化粧品会社が

原料のお酒を造るのはおそらくクレコスが初めてでしょう。

 

それと同じように、日本の森を考えるというテーマを一つの会社の社会事業として取

り組んできたクレコスは、化粧品のパッケージに南アルプスの間伐材を使用した紙を

使っていました。それがなくなってしまったのです。それなら日本の山の保護をする

という、メッセージを込めて自分たちで作れないかというのが、今回の取り組みでち

ょっと特別です。とても壮大な事業ですし、お金もかかりますので果たして可能かど

うかはまだ未知数です。でも第一歩を踏み出しました。