もうすぐ芸術の秋!!
天候不順が続いています。今年は夏があったような、なかったような...
せみの声があまり印象に残っていないのですが。
さてそんな夏の名残の日に、プライベートで新潟の【越後妻有(エチゴツマリ)トリエンナーレ】
へ行ってきました。
"トリエンナーレ"ってご存知ですか?
3年に一度、世界各地で様々な形で開かれる国際美術展覧会のことをいいます。
【妻有トリエンナーレ】は"大地の芸術祭"として2000年から開催され、
今年で4回目です。
少子化で2009年までに廃校となる約10校を活用するのが課題となっています。
過疎の村で始まったイベントに、最初は何が始まるのかと自分には関係の無いことの
ように思っていた、おじいちゃんおばあちゃん達が今ではイキイキとお手伝いをし、
元気になっています。
自分達の村の廃屋が、廃校になった学校が芸術の舞台になっているのです。
そこここの田んぼの真ん中、山奥に様々な作品が300あまりも展示されています。
760k㎡の地域に点在するものですから車でも、とても一泊二日で見て回れるもの
ではありません。
私の大阪の友人が芸術家で、彼女の友人が滞在中のドイツから呼ばれて出品したと
いう作品は、外さずに見ないといけないのと、後は興味のあるものだけを選んで
新潟の友人の車で回りました。
天気予報は雷雨。
田舎の泥んこ道を心配して車に傘と長靴を積んできてくれたのですが、晴れ女三人の
強力パワーでみごとに晴れ!!
素晴らしい作品のあれこれを、つたない言葉で表現が出来ないのですが、
「うわぁ~!!はぁ~... へぇ~... すごい!!何これ?」と連発しながら回りました。
一番感動したのは、山奥の廃校に展示されていた待ち針アート(enishi)。
おばあちゃん達が協力して17万本の待ち針を細い糸に刺しながら作られた作品で、
体育館だった天井に巨大なくもの巣が綺麗な放射線を描き、床には待ち針の畑が広が
ります。
嬉々として作業に取り組むおばあちゃん達の写真も置いてあり、なんともほほえまし
く感じました。
松澤有子さん「enishi」 パスカル・マルティン・タイユー
「リバース・シティ」
友人の友人(山口紀子さん)のアートは、同じ廃校の教室に、ドイツと新潟の新聞の
ニュースを切り抜き無数の紙縒を作り、それでネットを編み、その上に地球儀に見立
てたボールを転がすという作品。
ネットワーク社会における紙メディアの重要性を示しているそうです。
さわれるアートですので中に入ってボールを転がすとあちこちに付けられた鈴が鳴り、
世界を動かしている雰囲気で楽しいものでした。
山口紀子さんの「net works」という作品
アートではないのですが、感動したのは松之山エリアにある「美人林」と呼ばれる
ぶなの森です。
白いブナの木が、緑の葉っぱの陰影をつけながら綺麗な林を作っています。
どの方も、「きれいねぇ」と見上げながらニコニコ散策しています。
この林の中に入った人は皆ニコニコ顔になり、美人に見えるので美人林と言うのでしょうね。
「美人林」
国際交流や村おこし、観光客の誘致という目的は、2000年からの地道な努力で
充分達成できているのでしょう。
「また機会があれば違う作品も見たいね。」と言いながら帰路に着きました。
奈良の家へ戻り、新潟の友人がお土産に持たせてくれた枝豆とビールをいただきました。
そのおいしいこと!!絶品です。
自宅付近で買う新潟産と書いてある枝豆と、現地の枝豆は一味も二味もちがうのです。
種類もいろいろあります。"一人娘"に"湯上り娘"。"みかづき姫"に
"黒崎茶豆"(これが一番かな?)。"だだ茶豆"、"晩しゃく茶豆"と言うのもあります。
とにかくどれも一度食べたら忘れられないおいしさです。
たまには芸術観賞で感性を磨かなければ...と思って日常を離れて素晴らしい体験を
してきましたが、やはり毎日のおいしい食事とお酒をいただくのが私の一番の息抜き
のようです。
"芸術より枝豆!?"
でも本当に楽しかったです。
9月13日までやっていますので、お近くの方はぜひ見に行ってください。
今年を逃した方は、3年後の2012年にどうぞ。