COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2015年12月16日

滋賀県の東近江市という所で、ムラサキが栽培されています。

紫根はムラサキという植物の根で、今は輸入されている中国産が主で

日本では気候の関係などで栽培が難しくほとんど国産の紫根はありません。

ムラサキは東近江市の市の花になっていますが、現在では絶滅危惧種になっています。

これを市の奥永源寺地区、君が畑で復活させる取り組みが行われています。

 

君が畑は平安初期の頃、惟喬(これたか)親王が住まわれ、

ろくろを回して木の器を作ることを発明され、

それ以来天皇家のお椀はここで作られたとか。

木地師の発祥の地としても有名で、日本中の木地師はここから繋がっているという事です。

ちなみに小椋さんという名前は君が畑から出た木地師の名前で全国に広がったとか。

 

またこの辺りは君が代の歌で有名なさざれ石の産地でもあります。

万葉集の額田女王の『あかねさす 紫野ゆき しめ野ゆき 野守は見ずや 君が袖ふる』

と読まれた歌はこの辺りをさし、聖徳太子が定めた冠位12階のもっとも高貴な色であるとされているムラサキ。

 

そんな由緒正しき?地域の農業高校でムラサキを栽培し、染色をするというイベントがありました。

お誘いを受け興味津々行ってきました。

 

滋賀県だけではなく奈良や大阪からも参加されている方があり、

先生の講義を聞いた後皆でスカーフを染めました。

地元のムラサキの生産者のおじさんたちも、だんだん紫色になっていくスカーフにきれいなぁ!

と喜んで作業をしていらっしゃいました。

 

 

その後、今年収穫された紫根を見せていただきましたが、枯れた細い根っこでこれがあの色になり染料として

古代紫になり薬として使われるのかと不思議な感じがしました。

昔の人はこの根っこに薬効効果があるとどうしてわかったのでしょう。

 

クレコスのエクストラオイルも紫根から取られた成分を使っていますが、

昔から貴重な薬草とされてきたのでしょうね。

大変勉強になりました。

 

来年もまた染色体験があるそうです。お友達を誘って来てみることにいたしましょう。

 

皆さんも興味のある方は是非どうぞ!