COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

 

新しい年が明けました。おめでとうございます。

今年ほど新年が待ち遠しかったのは、久しぶりのような気がします。

いっぱいの信じられない出来事が起こりすぎた卯年は過ぎ去り、辰年は転換期の底から

新しい生活や仕事の芽が出てくる新年の希望に燃えた始まりです。

 

 

12月31日と1月1日は、何も変わらない時間軸の上の移り変わりですのに、晴れやか

な、穏やかな気分になるお正月はいいですね。

日本中の食文化が垣根を越えて特色がなくなる中で、お正月だけは"うちの田舎では

お雑煮は..."と会社のランチタイムなどにぎやかなお国自慢がはじまります。

 

 

我が家は大阪船場の正統派?白みそ雑煮です。

具は雑煮大根と小芋と焼き豆腐だけ。おもちは焼かない丸もち。

2日はおすましで具は水菜だけ。おもちは焼いていれます。とにかく元旦は焼く切る

は、縁起を担いでご法度です。

 

 

あとは重箱のおせち料理。

おせち料理のほうは年々デパートや料理屋さんの豪華なものが出回り、我が家もそれ

に流されつつあります。働く女性が増え、手間をかけられなくなったのも一つの理由

でしょうか。でも何品かはやはり我が家の味と言うことであわただしく作っています。

 

 

ただ少し変わっているのは私の母が滋賀県の生まれで鮒ずしが大好物だったので、そ

れが特別に加わることです。

これは相当にくせもので、ご存知の方は大好きか大嫌いかどちらかに分かれると思い

ます。東のくさや西の鮒ずしとでも言いましょうか、特別に強烈なにおいがします。

一年以上かけて作られる手間の込んだ食べ物ですが、なれずしですので発酵をしてい

るのです。

 

 

食べ物はやはり母親の影響を大きく受けるものなのでしょう。

鮒ずしと日本酒があれば、なにはなくともお正月気分です。薄く切った一切れを大切

に食べながら日本酒を飲む幸せ。

 

 

今や鮒ずしは貴重品で薄く切って一切れ500円はします。大きな鮒ですと一匹1万円は

するようなお値段になってしましました。

琵琶湖の伝統料理ですが外来魚や護岸工事の影響などを受けて、原料となるにごろ鮒

が取れなくなっているのです。

 

 

様々な地域の食べ物も大事にしていかないと、幻の料理になってしまうことでしょう。

次の世代へ伝えるお国自慢のお雑煮とおせち。大切にしたい日本の心です。

今年もおいしいものがいただける健康な一年でありますように。

 

 

         19-1.jpg