ということで、三か所感動の旅をしてきました。まずは佐賀県唐津へ…唐津と言うと焼き物と“唐津くんち”位しか知らなかったのですが、なんとみかんの出荷量は日本一だそうです。そのみかんの山がご多分に漏れず耕作放棄されています。実は唐津市は市を上げてオーガニックコスメの集積地にしたいと様々に取り組んでおられるのですが、そこで耕作放棄されたみかん山を整備して、様々なハーブを植えコスメの原料を作ろうという計画で実験圃場を作っておられ、そこへ見学に行ってきました。日当たりのいい斜面にさまざまなハーブが根付いています。はるか彼方には海を臨め空気も心地よいみかん山がこれからどのような形に姿を変えていくのか楽しみです。
唐津から福岡空港を経由して松山へ。そこから宇和島までお迎えに来てくれた車で一時間余り、複雑に入り組んだ海岸線を走り鯛の養殖場へ。古い友人の男性が日本一の養殖鯛を作っています。昔から鯛の養殖と言えば愛媛なのですが、彼の養殖は普通の養殖とは違います。研究を重ね餌にこだわり、一流のシェフに天然よりおいしい
と言わせるまでに育て上げました。沖にあるいけすまで船で行って、毎朝鯛におはよう!と声をかけながらこだわりの餌をやり3年ほど育てます。鯛一郎クンと名付けられた鯛は、北海道から東京その他全国の美味しい魚を食べさせるお店に出荷されます。私も新潟や名古屋や東京で鯛一郎クンに出会っています。彼の情熱は素晴らしいもので企業理念もしっかりしていて、今後の安全で美味しい魚づくりに期待をしたいと思っています。
次に訪ねたのは、宇和島から車で40分ほどの明浜町と言う所にある、無茶々園です。信号もコンビニもホテルもない、でも自然と美味しいみかんがあるところです。見上げるばかりのすごい傾斜地に有機栽培のみかんが植えられています。みかんだけでなしに、海の幸、山の幸作れるものは何でも作るということで、切り干し大根,ちりめん雑魚、梅干し、なんでも美味しい、特に真珠貝の貝柱は絶品です。宿泊施設がないので、ミカン農家に泊めていただきました。素晴らしい手作りのご馳走に、村の人々が集まってきて、接待してくださいます。お聞きするとなぜか、東大、御茶ノ水、京大、愛媛大卒と言う高学歴の人が沢山おられます。日本のあちこちから人を引き寄せる何か魅力のある町なのでしょうね。
ここは昨年の農林水産祭りむらづくり部門の天皇賞を取られた素晴らしい地域です。村中が知り合い、皆で一生懸命仕事をし、年に一度の秋祭りには村を上げて楽しむという、日本の原点のような所です。
日本の田舎に総じて言えることは人が優しい。空港まで送り迎えするなんて当たり前。知り合いの所にはあちこちウエルカムボードが設けられ歓迎ムードを演出してくれます。四国霊場回りのお接待の精神なのでしょうか。まだまだ日本の人は温かい、日本の産業は元気。ということを感じることができた、素晴らしい旅でした。