COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2020年06月25日

 

長年師と仰いで、お慕いし学ばせていただいておりました
商業界ゼミナールの名誉会長の西端春枝先生がお亡くなりになりました。
99歳でした。


クレコスのパーティの時は必ずお越しくださり、集まった人たちに
軽妙洒脱なご挨拶をいただき、皆が大好きな先生でした。


全国あちこちへ行かれる時、かばん持ちでご一緒させていただいておりましたのに、

もっともっとお聞きしたいお話があるように思います。
よく歳に不足はない…と、ご高齢の方が亡くなられた時にいいますが、

まだまだ様々な教えを乞いたい方でした。残念でなりません。

その一生は長い小説になりそうな、すごい人生を送られました。

御最期は新型コロナウィルスの流行でご入院中の病院も面会謝絶で、

ご家族のお見舞いも充分に叶わない中、

私は亡くなる一週間前に特別にお見舞いを

10分だけ許され、お目に掛かってまいりました。
親の死と同じように、いつかはその日が来るのをわかっていながら、

介護をさせていただいたわけでもないので現実には受け入れがたく、

また明日にでもお目に掛かれる様な思いでおります。
昨年秋には藍綬褒章をいただかれ、そのお祝いを3月にする予定でした。

それはかなう事なく、最後にお話をお聞きしたのは皇居へ行かれる少し前の12月の例会でした。

半年後に開かれる全国女性ゼミの講演の演題を考えていると言われ、お話をしていただきました。

 


『泥に生き泥に染まらぬ蓮の花』真宗大谷派の教えの一つです。

泥の無い所で蓮の花は咲かない。煩悩、苦しみ切なさを超えて、綺麗な花を咲かせましょうと言う教えです。

これをテーマにお話をされる予定であった全国ゼミがコロナで中止になったその日、

6月9日に御葬儀が行われました。

そしてその祭壇にはお花屋さんが苦労して見つけてこられた蓮の花のつぼみが飾られていました。

私達への最後の教えをしっかりと心に刻みました。

 

 

良くおっしゃっていた言葉に人間は2度死ぬと…一度目は肉体の死。

そしてその人の事が皆に語られなくなって忘れ去られた時が二度目の死だと。

そういう意味では西端先生は私たちの心の中に生き続けられ、

またその教えを次の世代に伝えていく事によって、不滅の偉人になられます。