COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2010年2月27日 23時38分

皆さんのお家には、この時期何かの雛かざりはされますでしょうか?

女の子のお祭りですが、"明かりをつけましょぼんぼりに..."という歌と共に

女の子でも男の子でも、小さい頃の思い出がありますね。

 

 

私の娘時代の我が家では、3月始めから、4月の春休みが終わるまでお雛様を

飾ってもらっていました。(すぐにしまわないと婚期が遅れるとか言いますが、

23歳で無事にお嫁に行きました)

母の言い訳は旧暦のひな祭りまで...と言うことで戦後の復興期に少しでも明るい

気持ちになるようにと考えてくれていたのかもしれません。

 

 

お雛様は、近所のおばさんに貰った戦争で焼けなかった立派な御殿飾りのお人形

でした。

小学校の頃、クラスの女の子も男の子もたくさん春休みにやってきて、母が皆に、

三角おにぎりに海苔と卵の薄焼きの着物を着せて、鶉卵で顔をのせてお昼ご飯作り

をして遊ばせてくれました。昭和30年ごろにしては、楽しいおしゃれなひな祭り

でした。

 

 

さて今の私の年上のお友達に、お雛様がだいだい大好きな方がいらっしゃいます。

奈良町の旧家のお宅を雰囲気はそのままにおしゃれに改装して、中二階の大きな梁

があるお部屋をお雛様部屋にし、数百の様々なお雛様を年中飾っていらっしゃいます。

 

 

古いものもあれば、手作りのものもあり、高名な一刀彫の作家のものもあれば、

おみやげ物屋さんで買われた物もあるといった、ご自分の好きなお人形だけ集められ

た素晴らしい空間です。かわいいお道具類の数々など一日見ていても飽きません。

お人形の好きな方に見に来ていただくのはうれしいけれど、怖いとおっしゃる方も

あるからと、決してご自分の趣味を見せびらかしたりなさらない方で大の仲良しです。

 

 

お伺いしたときは必ずお人形部屋へも入れていただきますが、そこで今まで見たこと

の無い、新しいものを探し出すのがまた楽しみです。

先日お伺いしたときは、ミニチュアのかわいい茶の間が増えていました。

それを見つけたときの喜びと、手に入れるまでのどきどきする気分を話されるお友達

は、もうすぐ八十歳には見えないかわいい少女のお顔になられます。

 

 

そのお雛様の一部を去年からお借りして新潟店舗の飾り付けにさせていただいています。

大切なものですが、どれでも持っていってとおっしゃって、今年は手に入れられた

ばかりのかわいいパッチワークのお雛様のタペストリーまでお借しくださいました。

 

 

お雛様4.JPG  入ってすぐ左

 

 お雛様3.JPG アップです。

 

 

お人形達に『私はいけないから、新潟へ旅行しておいで』と送り出してくださり、

おかげさまでクレコスハウスは様々なお雛様が飾られ楽しいお店になっています。

大阪の事務所も入口に草木染のタペストリー、応接間に奈良の一刀彫のお雛様を

飾って季節を楽しんでいます。

 

 

お雛様2.jpg     お雛様5.JPG   

          

 

この素晴らしい四季のある日本に生まれて、時々の季節を楽しむ潤いを忘れずに、

生活できればと思います。

今年は久しぶりに、お雛様好きのお友達宅のお茶室でのお茶会と、ちらし寿司と

はまぐりなどの雛料理でもいただけたら楽しいでしょうね。

 

ただし飲兵衛の私としましては、お酒は甘酒ではなく、純米大吟醸がいいですね。(笑)