COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2011年3月9日 15時13分

先日、商業界の勉強で幕張東京ベイへ行って来ました。

全国から800人が集まり、2泊3日でびっちりとお勉強をします。

今回は79回目という実に長い年数続いているゼミナールです。

 

 

何のお勉強かといいますと、商業人として基本の考え方を学びます。

今回のテーマは"恕"(じょ)―思いやり―です。

相手の心を尊重する、他人の幸福を願う、他人を許す等のひろい「愛」と言う

意味です。さてこの教えをどのようにクレコスに落とし込んでいけばいいのでしょうか。

 

 

たくさんの先生方がお話をくださいます。

特に印象に残っている講座をいくつかご紹介します。

 

 

まずは北海道の植松電機の専務取締役 植松 努氏。

北海道の町工場がロケットの実用化にチャレンジし続けていらっしゃいます。

子供達に手作りのロケットを作らせ飛ばすことで、やれば出来る喜びを与えておられ

ます。

 

「どうせ無理」と言うネガティブな言葉を組織からなくすことで、あきらめない集団

を作る方法。出来ない理由をひっくり返すことで、できる理由になる。

「だったらこうしてみたら?」と言う発想に切り替える。

【夢とは大好きなこと、やってみたいこと】

【仕事とは社会に役立つこと】 夢と仕事が一緒になれば素晴らしい!!

 

 

次は江戸しぐさ研究会代表の柴田光栄先生の【江戸しぐさに学ぶ商業経営】

江戸時代って、本当に素晴らしい文化が築き上げられた時代だったのですね。

皆さんがよくご存知の江戸しぐさの一つに、狭い路地で雨のときにすれ違うときは

お互いに迷惑にならないように、"傘かしげ"と言う動作で、お互いの傘をかしげて

すれ違うとか。

 

 

一時が万事、さまざまなしぐさの中に、今この江戸しぐさが世の中に広まれば、もう

少し住みよい世の中になるのに...と言う事柄が漫画で面白く書かれている本をご紹介

くださいました。

先生自身がお着物のよく似合われる優雅なしぐさの方で、あこがれてしまいました。

 

 

もう一つ、福岡伸一先生の"動的平衡"の話が面白かったです。

ただ私ごときに簡単に説明できるお話ではありません。

福岡先生のお話をぜひお聞きしたかったのは、以前新聞で読んだ記事でした。

 

 

《料理家の辰巳芳子さん(85歳)が70歳を過ぎたころから「人はなぜ食べるの

か」という問いへの本質的な答えを欲していた。福岡先生の著書で「人間は食べる

ことで分子レベルから常に入れ替わっている存在だ」という理論に出会った。「初

めて納得できる根源的な回答だった。近年まれな高揚感に満たされた。...」》

という記事だったのです。

これを読んでから、福岡先生のお話をぜひお聞きしたいと思っていたのです。

 

この記事でもう一つ別の意味で素晴らしいと思ったのは辰巳さんの85歳にして尚、

新しい気づきを感じて高揚感に満たされるという生き方です。

素晴らしいと思います。

人は年を重ねるにつれて、学ぶことを怠り、新しいことに感動する心も失っていきます。

私ももっともっと克己心を持って多くを学び、85歳であろうと90歳であろうと、

高揚感に満たされるような感動を味わえる人生を送って生きたいと思います。

 

 

幸せなことに、私は商業界の女性ゼミナールの西端春枝先生と身近にお付き合いさせ

ていただいています。90歳になられますが、ウィットに富んだご講演も素晴らしく、

いつも感動を与えてくださいます。

先達を持つ幸せを感じるとともに、若い人たちの先達になりうるように研鑽を積まな

ければと思います。

さまざまな気づきのあったお勉強会でした。

 

 

nasa.jpg植松 勉著 NASAより宇宙に近い町工場

 

 

江戸しぐさ.jpg新潟江戸しぐさ研究会著 マンガ版 江戸しぐさ入門

 

 

柴田先生.jpg柴田光栄著 江戸しぐさに学ぶ中小企業経営

 

 

動的平衡.jpg福岡伸一著 動的平衡