今年の春はいつ来るのでしょう...と思うほど暖かくなるのがゆっくりな年ですね。
奈良へ引越しをして、今年の春はとても楽しみにしていたことがあります。
それはお花見です。
引っ越した本社のあるのは神殿町(こどのちょう)ですが、芝辻町というところにサ
ロンがあります。
マンションの一室ですが、ここが素晴らしいロケーションなのです。
3階のお部屋のベランダからは、東大寺の鴟尾(しび)がかすかに黄金色に輝いて見
え、その向こうは若草山が緑の芝のきれいな姿で望めます。
若草山は百人一首にも"天の原 ふりさけ見れば 春日なる 三笠の山に いでし月
かも"とうたわれた山で千数百年前の和歌に詠まれるほど美しい姿です。
またマンションの前を流れる佐保川は数キロにわたって見事な桜の花を咲かせます。
特に真ん前は護岸工事がきれいにされ、川のほとりへ降りることが出来ます。
真向いの小学校には水辺の楽校という音楽会も催されて、いい雰囲気なのです。
少し川の上流へ散歩をすれば、古木の桜が川べりに立ち並び、昔ながらの自然のまま
の雰囲気になり、赤いよだれかけをしたお地蔵様が数十体祀られている場所がありま
す。
"あおによし 奈良の都は 咲く花の 匂うがごとく 今盛なり"という万葉集の世
界にタイムスリップするようです。桜は日本人の心になくてはならないものなのでし
ょうね。
震災が日本中を暗い気持ちにさせたとしても、季節が来れば、桜はけなげにきれいな
花を咲かせてくれます。
花が散ればきれいな新緑の葉を見せてくれます。
素敵ですね、日本の四季は!!
今までは大阪へ通っていたので、なかなかサロンでお花見ができなかったのです。
皆様は今年のクレコスサロンのお花見は間に合いませんでしたが来年はぜひいらっしゃってくださいね。
おいしいお花見弁当をご用意してお待ちしています。
この度クレコスの本社を工場のある奈良へ引っ越しました。
奈良市神殿町(こどのちょう)です。
いい町名でしょう。
奈良は『国のまほろば』と言われています。
まほろばとは、素晴らしい場所、住みやすい場所という意味で、はるか古代に
『倭(やまと)は国のまほろば たたなづく青垣 山こもれる 倭しうるわし』
と古事記にも詠まれている所です。
奈良には、いい地名がいっぱいあります。
例えば「京終(きょうばて)」「帯解(おびとけ)」「恋の窪(こいのくぼ)」
「杏(からもも)」「歌姫(うたひめ)」など...
その中でも神様のおわします所...『神殿(こどの)』ですので、とてもいいところだと
思っています。
さて何故奈良へ引っ越したかと言いますと、クレコスは元々19年ほど前、奈良で立
ち上げた会社でした。
その後すぐ全国にご愛用者を増やすには、大阪市中央区という地名がいいだろうとい
うことで、大阪城のそば、大阪府庁のすぐ近くに会社を移しました。
おかげさまで全国にご愛用者もでき、さまざまな店舗でのお取り扱いもいただいてま
いりましたが、ここ10年ほどで世の中は大きくさま変わりしてきました。
ふと気がつけば地方発のものがあちこちで存在感を示す時代になってきています。
(基本的にクレコスは今までも奈良で製造をしてきました。商品の住所は奈良市神殿
町になっています。まさしく地方発です。)
食べ物でいえばB級グルメを代表に、高級なレストランでは山形の鶴岡のイタリアン、
『アルケッチャーノ』。
庄内産の生産者にこだわったお料理は全国から山形へ人を引き寄せます。
自然素材のお洋服では、東京や大阪のデパートで売れているこだわりのアパレルメー
カーの『群言堂』。
島根県にある石見銀山生活文化研究所です。
奈良発の生活雑貨とカフェのお店『くるみの木』などなど。
さまざまな隠れた地方発全国区の優れモノが世の中に出回ってきました。
大手メーカーさんなどでも、震災の影響もあり本社を地方へ移すところがぼちぼち出
てきているようです。
クレコスも昨年から大和茶に焦点をあて、奈良工場で色々な取り組みをしてきました。
それが実を結びつつある今、本社も思い切って原点である奈良へ立ち返り、奈良発全
国区を目指し、社員一同気持ちを新たにしてよりよい商品作りに励みたいと考えてい
ます。
奈良は京都とは違い、素朴な古都の良さがあります。
高い建物はなく、奈良駅のすぐ近くで鹿がのんびりと歩き、世界遺産があちこちに点
在し、やさしい仏さまがたくさんいらっしゃいます。
時間がちょっぴりとゆっくり流れているような町です。
ぜひ皆さんも遊びにいらっしゃってください。
私の好きな場所と私の好きな食べ物屋さんへご案内いたします。お楽しみに。
お正月早々、満97歳の義母が骨折をしました。
よくあるパターンで部屋で転んで、左上腕部骨折です。若ければ即手術ですが、全身
麻酔で年が年ですからとにかくすべて検査をしていただきました。
その結果内臓その他、10歳以上若いと言っていただきました。
後は本人の意思次第ですねといわれましたが、そのままならば3ヶ月、手術をすれば
すぐにくっ付きますといわれ、前向きなおばあちゃんですので、していただくことに
なりました。折ってから一週間後に手術でした。
周りの心配をよそに、本人は「麻酔かけてもろたら、何にも解れへんから、痛いこと
ない」とのこと。
骨の中に芯棒を入れていただいてボルトで5箇所程とめて、無事終了。
後は、病院で歩かないので足の機能が衰えないためにリハビリのみ。それならば早く
自宅へ帰ったほうが本人に為にもいいでしょう、とのことでなんと1週間で退院。
びっくりです。
退院後は少し動かすと痛むとは言っていますが、食欲全開、お寿司にグラタン、すき
焼き、なんでもこい、おやつもプリンにゼリー完食です。
まだ片手は不自由ですので、トイレや洗面その他生活には介助が必要ですが、洗面の
後は使える右手を出してエッセンスミルクを頂戴といいます。
さすがに家での養生中ですのでファンデーションまでは塗るとは言いませんが、次は
「髪の毛とかして...」です。そのままブラシをかけようと思うと、「ケープしてくれ
んと、セーターに髪の毛がつくから...」とのこと。
その後耳を出してピンをとめてあげますが、そのヘアピンは白髪に美しいように、看
護婦さんが使う白のヘアピンです。
いくつになってもおしゃれ心は失わない義母の生き方に感服です!!
美しさを保つもう一つの秘訣も見つけました。
トイレへ連れて行っても、髪をとかしても、必ず、『ありがとう』『おおきに』と
言う感謝の言葉が出るのです。
いくつになっても失いたくない"こころの言葉"ですね。
それにしても、病院で感じたことはお年寄りの女性の転倒骨折が非常に多いことです。
我が家も随分注意をし、家の中のあらゆるところに手すりをつけ、バリアフリーに
し、セコムの呼び出しボタンをあちこちにつけ、これ以上気をつけようがないという
設備をしていたのですが魔の空間はあるのですね。
以前、私も外出先で転んで何度か骨折をしているので、地下鉄の階段などは必ず手す
りを持って上がり降りしますし、本当に気をつけています。
皆さんも若いからと過信せずに転ばないようにお気をつけて。
そして万が一、入院と言う事態が起こっても、おしゃれ心はお忘れなく。
新しい年が明けました。おめでとうございます。
今年ほど新年が待ち遠しかったのは、久しぶりのような気がします。
いっぱいの信じられない出来事が起こりすぎた卯年は過ぎ去り、辰年は転換期の底から
新しい生活や仕事の芽が出てくる新年の希望に燃えた始まりです。
12月31日と1月1日は、何も変わらない時間軸の上の移り変わりですのに、晴れやか
な、穏やかな気分になるお正月はいいですね。
日本中の食文化が垣根を越えて特色がなくなる中で、お正月だけは"うちの田舎では
お雑煮は..."と会社のランチタイムなどにぎやかなお国自慢がはじまります。
我が家は大阪船場の正統派?白みそ雑煮です。
具は雑煮大根と小芋と焼き豆腐だけ。おもちは焼かない丸もち。
2日はおすましで具は水菜だけ。おもちは焼いていれます。とにかく元旦は焼く切る
は、縁起を担いでご法度です。
あとは重箱のおせち料理。
おせち料理のほうは年々デパートや料理屋さんの豪華なものが出回り、我が家もそれ
に流されつつあります。働く女性が増え、手間をかけられなくなったのも一つの理由
でしょうか。でも何品かはやはり我が家の味と言うことであわただしく作っています。
ただ少し変わっているのは私の母が滋賀県の生まれで鮒ずしが大好物だったので、そ
れが特別に加わることです。
これは相当にくせもので、ご存知の方は大好きか大嫌いかどちらかに分かれると思い
ます。東のくさや西の鮒ずしとでも言いましょうか、特別に強烈なにおいがします。
一年以上かけて作られる手間の込んだ食べ物ですが、なれずしですので発酵をしてい
るのです。
食べ物はやはり母親の影響を大きく受けるものなのでしょう。
鮒ずしと日本酒があれば、なにはなくともお正月気分です。薄く切った一切れを大切
に食べながら日本酒を飲む幸せ。
今や鮒ずしは貴重品で薄く切って一切れ500円はします。大きな鮒ですと一匹1万円は
するようなお値段になってしましました。
琵琶湖の伝統料理ですが外来魚や護岸工事の影響などを受けて、原料となるにごろ鮒
が取れなくなっているのです。
様々な地域の食べ物も大事にしていかないと、幻の料理になってしまうことでしょう。
次の世代へ伝えるお国自慢のお雑煮とおせち。大切にしたい日本の心です。
今年もおいしいものがいただける健康な一年でありますように。
先日島根県の石見銀山へ行ってきました。
6月の『のほほん』でご紹介した、【群言堂】へぜひ一度行きたいと思っていたから
です。【群言堂】とは、一言で言えばアパレルメーカーですが、石見銀山に根を下ろ
し地方発のこだわりを貫き通しておられる商品づくりがすばらしいお店と言えるでし
ょうか。
「群言堂」本店
東京、大阪のデパートにもこだわりのお洋服や生活用品を販売するお店を出店されて
います。そして別の事業としてご夫婦で、石見銀山の古い民家を活かして次々と立て
直されています。
放っておけば壊されて消えてしまう古家を生まれ変わらせ遺して後世に伝えることを
使命として再建していらっしゃいます。
お店に入ってすぐのところに
クリスマスのディスプレイがされていました。
その一つの宿泊施設である【他郷阿倍家】へ泊まってきました。
とにかくそのこだわりたるや、すごいとしか言いようがなく圧倒されてきました。
言葉で言い表せない、ずしんとくる凄さです。
私はあまり骨董品は好きではないのですが、百数十年まえの家に泊まり、心地いい感
じに包まれました。
夜中にお手洗いに行くのがちょっと怖いかも...と思ったのですが、全然怖さはなく、
逆にしばらく庭のたたずまいに見とれてしまうほど家が喜んでいると感じるのです。
あちこちの雑誌に掲載されていますので、見られた方もいらっしゃると思います。
雑誌といえば、最近クレコスと農商工連携で一緒に仕事をさせていただいている、伊
川健一さんもあちこちの新聞、雑誌に載っています。
一番最近では、『セラピスト』とか『ソトコト』とか。
今奈良県で一番有名な青年かもしれません。
彼の家も古い民家を借りています。こちらは古いまま住んでいますが、共通点は、か
まどでご飯を炊くこと。
手作りのお野菜で料理をすること。ほんとうにホッとするやさしさが同じです。
私の憧れの生活がそこにあります。
今年は日本中が大きく揺れ、ものやお金の価値観も世界中で揺らいできた年だったと
思います。
その中でとわに変わらないものは何なのか、しっかり見つめていく年に来年はしたい
と思います。
来る年は必ずよくなると信じて!!どうぞよいお年をお迎えくださいませ。