COLUMN of KEIKO KUREBE

暮部恵子のおしゃべりコラム

2011年11月07日

月日の経つのが早いですね。

あの悪夢の大震災から早くも10ヶ月が経ってしまいました。

今は紅葉の素晴らしい東北でしょうが、これからは寒さが厳しくなってきます。

 

 

四季のある日本は大好きですが、近頃快適に過ごせる時期がだんだん少なくなってき

ているように思います。

これから寒くなる時期に向かい被災され仮設住宅で過ごされる方たちのことや、放射

能で学校生活も楽しめない子供達のことを思うと切なくて、何も出来ない自分、忘れ

がちになる自分に情けなくなることがあります。

 

 

そんな中でも継続的な支援をされていらっしゃる方たちには、頭が下がる思いです。

先日世界的な建築家の安藤忠雄さんの講演会を聞く機会がありました。

大変気さくな大阪のおっちゃん(失礼)の部分もお持ちで、そのエネルギッシュな

お話にぐんぐん引き込まれていきました。いただく賞は賞金が出るかどうかが、もら

う判断基準になるとの事。その賞金はさまざまな基金として積み立てられているそう

です。

 

 

10年ほど前、安藤忠雄さんと中坊公平さんが立ち上げられたオリーブ100万本運

動の講演会に行ったことがあります。産業廃棄物の島になっていた瀬戸内海の豊島を

綺麗な島にして子供達に残すため、オリーブを植えようと提唱され、瀬戸内オリーブ

基金を立ち上げられました。講演を聴いて感激しすぐに寄付をしました。

いま、ユニクロに行くと会計のところにこの寄付の募金箱が置いてあると思います。

 

 

安藤先生はさまざまなボランティアをされていますが、今回のご講演では【桃・柿育

英基金】を募っていらっしゃいました。

これは東北の震災で孤児になった子供達への育英基金です。毎年1万円を10年間自

動引き落としされるというものです。早速申し込みました。

 

 

1万人が申し込むと10億円になる勘定です。

ちりも積もれば...といいますがすごいですね。出費としては月800円ほど。

コーヒー2杯分です。

誰にでも気軽にできて、10年間忘れずに自動引き落としをしてくれることで一人で

はできない継続的な支援と被災地への思いを繋げることができます。

 

 

先ほどネット検索してみましたら、なんと10月末時点で15,800名ほどの申し込

みがあり、企業寄付とあわせて30億円に達したとか!!すばらしいですね。

綺麗なもみじの後は、厳しい雪の降る東北ですが、ぜひ頑張っていただきたいと思い

ます。

私もこの冬は一枚多く着て暖房の温度を下げることで被災された方へ心を寄せるとい

うことを忘れないようにしたいものです。

 

もも・かき育英会.jpg

  http://momokaki.org/index.html

 

 

 

 

 

2011年10月01日

クレコスは化粧品会社ですので女性社員の多い会社です。

その中で営業の社員が一人、育児休暇を終えて復帰をしました。

39歳です。かわいい女の子を産みました。猛烈な阪神ファンで甲子園にもしょっち

ゅう応援に行っていた子で寅年に出産するという夢をかなえました。

結婚式を大阪の中央公会堂で挙げたという、こだわりを持った子です。

 

中央公会堂は大正7年に出来た、大阪の中ノ島にあるれんが造りの趣のある建物で、

国の重要文化財です。株で大儲けをした、岩本栄之助と言う人が巨額の私財を寄付し

て建てたのですが、その後株で大失敗をし、ピストル自殺をしてしまいます。彼の潔

い生き方は古くから大阪に住む人には語り草となっています。

 

大阪人にとっては、親しみがある大切な文化財なのですが、市民の文化芸術の活動拠

点であり、誰でも気軽に利用が出来ます。結婚式も出来る特別室は、天井や壁面に日

本神話が描かれており、鳳凰などのステンドグラスと共にお部屋そのものが芸術品だ

といえます。

 

 

さてそこで皆に祝福をされて式を挙げ、かわいい女の子にも恵まれ、仕事に帰ってき

ました。これからが一世一代の頑張りどころです。私も仕事を再開し始めたのが同じ

年頃でした。一番忙しくて一番充実した40代に突入です。

一歳を目前にした彼女の娘のために、一日二回会社で搾乳をし冷凍して持って帰りま

す。それを次の日に保育園へ子供と一緒に持っていって飲ませてもらうそうです。

 

 

これからの時代、子育ては国でするものという事で、子ども手当が考えられたようで

すが、やはり子どもはお金ではなく、親が愛情を持って育てるものですね。

帰りに保育園へお迎えに行き、家事と育児をするのは大変だとは思いますが、すぐに

子どもは成長します。それを楽しみながら、会社では一生懸命にクレコスのために働

いてくれることと思います。

 

 

この頃は『お一人さま』という言葉が象徴するように、一人暮らしの人が多くなって

きています。

小さなわが社にも、『お一人さま』が4人。親と同居の人も含めて未婚者が8人いま

す。その中に息子も含まれているのですが。皆早く、彼女のように子どもを持つ幸せ

を味わってほしいものです。あっ、間違えました。子どもを持てる独身は6人です。

後の2人は60代。

結婚式用の素敵な鶴の刺繍のあるドレスを持っている私としましては、一度でも多く

着る機会があることを願っているのです!!

 

 

 

大阪・中之島公会堂ライトアップ.jpg 

ライトアップされた大阪市中央公会堂

2011年09月02日

この夏、あちこちで催されたイベントに灯火会という行事がありました。

日本の行事として、皆さんご存知の京都で行われる五山の送り火は色々な問題があり

ましたが今年も行われました。

 

奈良でも高円山で大文字送り火があります。

最近では奈良公園の燈花会が有名になって毎年多くの人が訪れるようになりました。

平城遷都祭が行われた平城旧跡でも灯火会がありました。

また、大阪でも大阪城で先日行われ、幻想的な雰囲気に包まれたようです。

 

灯火会.jpg

 

今年は震災があり、明かりは祈りに通じるところがあって様々な形で行われたのでは

と思われます。

また大阪では年に2回、キャンドルナイトと言う催しが大阪駅近くの2箇所で行われ

ます。

 

 

ろうそくって、戦後すぐは停電がしょっちゅうあり、何処の家にもすぐにろうそくを

点けられる状態で置いてあったことを思い出します。

今の発展途上国並ですね。すっかり停電という事を忘れていた今、今年は考えられな

いような震災が起こり、忘れ去られていたろうそくの灯りを様々な形で思い出すきっ

かけになったことでしょう。

 

 

電気のない生活がどれだけ不便かを体験しようと、クレコスアースディという行事を

クレコス森倶楽部で二度ほどしたことがあります。

京都府の美山町の江和ランドで、火をつけるのに木をこすり合わせるところからはじ

め、竹やぶの竹で、釣竿を作り、魚釣りをし、竹でろうそくの蜀台やかがり火を点け

る台を作り、鳥を絞め、畑の野菜とダッチオーブンで焼き、かまどでご飯を炊き、と

いう一日でただ食べ物を揃えるだけに時間を費やす生活です。

やっとご飯が出来たころには日が暮れかけていました。

 

火興し.JPG     アースディ-3.jpg

 

ろうそくの明かりでは、何を食べているのか見えない状態でしたが、闇が深くなるに

つれ、目がなれるにつれ、ろうそくの明かりがだんだんと大きな綺麗な灯りになって

いくのです。ゆらゆら揺らめく灯りは、なんとも温かく周りを照らし、星がとっても

沢山綺麗に見え、お月様がこれだけ明るかったのかと言うことに気づかされました。

 

 

便利な生活、快適な生活に慣れきった私たちは、ずいぶん素晴らしいものを失ってき

たように思います。

これを書いているオフィスも快適な空調に快適な明かりが設定されています。

すぐに熱いコーヒーも冷たい飲み物も作れ、何一つ不自由なことはありません。

 

 

でも闇夜のろうそくがあれだけ人を勇気付け慰めるものだという事は忘れています。

震災に会われた方たちは本当に辛い思いをされたことでしょう。

ご本人でしかわからない辛さだと思います。

 

せめて、ろうそくの明かりを灯すことで、東北の人々への祈りに変えるという思いが

こめられた、様々な灯火会であったことでしょう。

 

ロウソク.jpg

2011年08月05日

私の義母は、大正3年8月2日生まれで満97歳になります。

結婚してから、旅行で留守をする以外は42年間毎日一緒に生活しています。

 

 

すこぶる元気で、特に頭は冴え渡っています。

脳の細胞突起が衰えていないことにかけては、32歳年下の私もかないません。

数点買い物を頼まれて渡したときなど値段を見て紙に書き、暗算で計算してしまい

ます。後で私が計算機で確認するとぴったり!!

 

 

おしゃれ心もバリバリで、色々送られてくるカタログはすべてチェック。デパートの

バーゲン情報もチェック。

お出かけ用の杖はその日によって色を変えます。

週に一度の私の娘、つまり孫とのランチでお出かけが楽しみの一つ。

デイケアに週一回出かけ、宿題のカレンダーのぬりえは、孫娘からのプレゼントの

36色入のかっこいい色鉛筆で花にグラデーションをつけて仕上げます。

 

 

暮部おばあちゃん.JPG  暮部おばあちゃん杖立て.JPG 

おしゃれな義母

 

 

お洋服のちょっとしたサイズ直しやアイロンは自分で。

真っ白の髪を押さえるヘアピンは白のピンです。

笑顔が素敵ね、と皆に言われてシュークリームみたいな肌が自慢です。(つまり大き

な皺はありますが、全体がプクプクしていてつるんときれいだということ)

 

 

さて理想的な年の取り方の秘訣は何でしょう?

まず・・・・

①何でも食べること。年齢にかかわらずグラタン、チーズ、は好物ですし、記念日や

お祝いの席のフレンチのコースや会席料理は完食。私たちが変わったものを食べてい

ると必ず「それ何?一つ頂戴」といった感じです。

 

②好奇心いっぱい。食べ物だけにこだわらず、すべてのものに関して興味深々です。

宅急便が来ると何処から何がきたん?

なでしこジャパンを見ていてするどい一言「世界一になったらかわいくなったな

ぁ・・・」

 

そして③生活習慣を守ることにかけてはきちんとしています。

仏壇、神棚に朝晩の礼拝はかかしません。そしてお肌の手入れもサボるということは

ありません。必ず、夜はクレンジングをして、洗顔クリームで洗い、へちまエッセン

スにミルク、オイルをつけて休みます。

 

④おしゃべりが大好き。私の友達は自分の友達だと思っていますので、誰かが来ると

一緒になって楽しみます。

時には孫の友達とも話をあわせています。

 

⑤常に前向き。だんだんにまわりの方が亡くなったりしますが、その人との楽しい思

い出だけを話して、くよくよはしません。

 

以上、義母を見ていて私が思う楽しく長生きする5項目です。

 

 

89歳のときにもクレコスの雑誌広告のモデルに出てもらいましたが、後2年経った

ら、白寿(百という字の上の一を取ったら白になるので99歳のことをいうのです)

のモデルとして、クレコスの広告に出てもらおうと思っています。

 

お楽しみに。

2011年07月05日

何という暑さでしょう!!

こんな時は、少しでも涼しいところでのんびりしたくなりますね。

先日奈良駅から車で25分ほどの田舎の残るのんびりしたログハウスへ行ってきました。

 

 

前々から行きたいと思っていたところなのですが、最近人気のスポットでなかなか

予約が取れません。

清澄の里 『粟』(あわ)という大和伝統野菜のお料理を食べさせてくれるお店です。

 

 

万葉の歌人に「清澄」と詠われていた今なお昔ながらの田園風景が広がるまほろばの

里です。ここで若いご夫婦がとてもいい顔をして、野菜を育て、それをお料理し、ヤ

ギを飼い、お客さまとお話をしていらっしゃいます。

そのお店の入口ではかわいい【田の神さま】がにこやかに迎えてくれます。

 

田の神様.jpg  やぎ.jpg

 

そして、ゆったりとした木のお部屋の壁には細密画でかかれた大和の野菜たちがおい

しそうに並んでいます。

この絵を描かれている榎森彰子さんという方は、クレコスのご愛用者です。

 

店内1.jpg  店内2.jpg

 

 

さて待望の大和のおいしい野菜たち、様々な形になって登場です。

そのお味の濃いこと、おいしいこと、野菜が「どう、私たち、おいしいでしょ!!」と

自己主張をしています。

お昼だけのお店は20名あまり限定で12時前から、4時までゆっくりとすごすこと

が出来ます。大きな窓からはさやさやとゆれる木陰越しに奈良盆地が見渡せ、なんと

も贅沢な時間が流れていきます。

 

 

生き方の素晴らしい人に出会うことは、人生の中の一番嬉しいひと時ですよね。

そしてそれが私の子供世代であると本当に日本って素晴らしいなと思ってしまいます。

この『粟』の三浦さんご夫妻も結婚なさってこの地でこのお店を作られるまでのお話

は、とても感動的なもので、黙々と自然に向き合う生活を無理なく楽しんで過ごして

いらっしゃいます。

 

 

類は友を呼ぶと申しますが、このご夫妻とクレコスのお付き合いしているお茶畑の

健一自然農園の伊川さんとはお友達なのです。

そのお仲間にクレコスの副社長も入れていただいて、30代から40代の大和男子

の連合が出来ると心強いなと、母世代は思っています。

 

さてここに、粟生(あわなり)と言うお菓子があります。粟生.JPG

白い餅菓子なのですが、原料は粟なのです。粟と言うと黄色い穀類というイメージが

ありますが、【むこだまし】は脱穀すると白色で、もち米で出来た餅とお婿さんが間

違えてしまうほど見分けがつきにくかったので、この名前がついたそうです。

 

食べ物でだまされる男子ってなんか素直でかわいいですよね。

65歳のおばさんとしては40歳ぐらいのかわいい男子が、大好きなのです。

伊川さんも三浦さんも生き方がかわいい!!

ぜひ皆さんも一度素敵な時間を味わいに行って見てください。

 

粟 外観.jpg

清澄の里 【粟】http://www.kiyosumi.jp/index.html